11.10.2011

Veteran's Day

明日は祝日だけど、楽しいお祝いの日ではなく、、、退役軍人や、国のために自分を犠牲にして働いた人たちに感謝をする日。


新聞のコラムで、それぞれの時代の、それぞれ違った立場の退役軍人の人たちが語っていました。

イラク戦争で大けがを負って生死をさまよった29歳の兵士は、「自分にとっては毎日がVeteran's Dayですよ」という。
彼は10歳までアフリカの国で貧困の難民生活を送り、それからアメリカに移民として来て、普通の暮らしができるようになったそうです。自分を助けてくれたアメリカに、感謝をしたくて進んで入隊した彼は、こんなひどい目にあっても後悔はしていないそう。

ある50代後半の男性は、朝鮮戦争に行った時のことを話しています。
戦争が終わってアメリカに戻って来た時、なんと、感謝の気持ちを持って出迎えてくれる人が誰もいなかったそうです。軍服で歩いているだけで、にらまれるような態度をとられたそうなのです。
今の時代とは逆で、その戦争も、参加している兵士たちも、国民に支持されていなかった時代。国のためにと命をかけて戦って来たのに、帰国してまたどれだけまた辛い思いをしたことか。
そんな辛い過去を背負いながら生きている人たちも大勢います。

太平洋戦争で沖縄に行ったという男性は、現在87歳。
日本と同じように、戦争の真実を次の世代に伝えられる人たちも、もう居なくなってしまう時代です。

湾岸戦争で、向こうの国の人たちとの間に絆を作る大事な仕事をしてきた女性は、将校クラスの人で、子供も4人いるそうです。
当時すぐに現地に行けと言う命令が出た時、下の子供が1歳半だったそうです。
まだ1歳半の子供に、少なくとも1年間は会えない。別れがどれだけ辛いか。
自分で選んだキャリアとはいえ、彼女もその家族も、他の家庭にはありえない苦労があったそうです。


そういえば、グランパ(旦那のお父さん)も若い時にベトナムに行った人です。
最近聞いた話だけど、グランパは、軍服のブーツを1ヶ月間、いや2ヶ月間だったかな?ずっと履いたまま一度も脱ごうとしなかったのだそうです。
暑いベトナムだから、そうすれば足がおかしくなって(腐ったようになって)歩けなくなる。そしたら前線から自分もはずしてもらえる、そう願っていたんだそうです。


アメリカには、今は普通に生活しているように見える人でも、戦争に行って大変な思いをして来た人たちがたくさんいます。
第2次世界大戦から、ベトナム、朝鮮、湾岸、ソマリア、中東、、、いつの時代も何かしら続いている戦争には、今はもうおじいさんの世代から、つい最近高校を卒業したばかりの若者まで。生きて帰って来れた人たちは、また普通の生活に馴染む努力をしながら、他の市民と同じように生活しています。

イラク戦争は終わったと言うけど、いつも戦争と隣り合わせのアメリカ、「じゃあ次はどこ?」 という感じですよね。。。
後になって、いくら名誉をたたえられても、お金をもらっても、戦地で失った自分の腕や足や、友人たちが帰ってくることはない。
アメリカ市民としてのプライドを叩き込まれているから、弱音を吐いたり、泣き言をいうこともできない。みんな”ヒーロー”にならなくてはいけないプレッシャーがある。

いつになったら、アメリカ市民はこんな煩わしい現状から解放されて、日本みたいに平穏に暮らせる日がくるんだろう。。。

アメリカで暮らしている日本人の私にとっては、こんな現実と、今の便利で豊かな生活が、一緒に存在しているのがとても妙な感じがしてなりません。



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